ゴルド(Gordes)は、プロヴァンス地方を代表する美しい村の一つとして知られています。
岩山の上には石造りの家々やゴルド城が築かれ、11世紀頃から要塞として発展してきた歴史があります。
中世の面影が今も残る石畳の路地を歩きながら、ゴルド城を囲む広場やサン・フィルマン教会などを巡りました。
ゴルド城を中心に築かれた石造りの村
ゴルドの遠景
村の中心部へ向かう途中、立ち寄ったのはゴルドの遠景を見渡せるビューポイントです。
岩山と石造りの家々が一体となった景色は圧巻の一言!プロヴァンスを代表する美しい村と呼ばれる理由を実感しました。
少し視線を移すと、プロヴァンスらしいのどかな田園風景も一緒に眺めることができ、遠くの山並みまで続く景色は素晴らしかったです。
シャトー広場
村に到着し、まず向かったのはゴルド観光の拠点となるシャトー広場(Place du Château)です。
中央のロータリーを囲むように石造りの歴史的建造物が並んでいます。
周囲にはレストランが並び、広場に面したテラス席もありましたが、観光客の姿はそれほど多くなく、静かな雰囲気でした。
シャトー広場の中央には第一次世界大戦の戦没者慰霊碑(Monument aux Morts)があります。
銃を携えた兵士の像が台座の上に立ち、広場の中でもひときわ目を引く存在でした。
ペニタン・ブラン礼拝堂
シャトー広場の西側には、古めかしい小さな石造りのペニタン・ブラン礼拝堂(Chapelle Des Pénitents Blancs)が建っています。
17世紀に白衣兄弟会の礼拝や慈善活動の拠点として建てられたそうで、村の歴史を見守ってきた建物です。
石灰岩で造られた素朴な外観は、ゴルドらしい景色の一つとして印象に残っています。
道路を歩きながら横から見ると、壁面に飾られた看板がとても可愛らしく、古い石壁の一角がパッと明るく彩っていました。
ゴルド城
シャトー広場に面してそびえ立つのは、石造りの村ゴルドを象徴するゴルド城(Gordes Castle)です。
ゴルド城の起源は中世にさかのぼり、11世紀頃からこの地域を守る要塞として重要な役割を果たしたそうです。
角ばった塔や厚い壁を見ると、中世の要塞らしい力強さを感じます。
16世紀にはルネサンス様式へ改修され、外壁には十字窓や古代建築を思わせる三角形のペディメントが加えられ、領主の居館らしい華やかさが生まれたそうです。
現在は展示や文化活動の場として利用されており、歴史ある建物を身近に感じられる場所になっています。
ゴルド城の北側には小さな公園がありました。
先ほどまで眺めていた石造りの風景とは異なる色彩豊かな緑に惹かれ、ベンチに腰を下ろして少し休憩しました。
ジャンティ・パンタリエ広場周辺
次に、ゴルド城の外壁に設けられたアーチ状の門をくぐり、中庭側から南側へ向かいました。
門を抜けた先はジェンティ・パンタリー広場(Place Genty Pantaly)と呼ばれ、観光で訪れた人が行き交う様子が見られました。
周囲にはカフェやショップなどがあり、散策の途中でひと休みするのにちょうどよい雰囲気。
中央には石造りの噴水があり、広場のシンボルとして親しまれています。
この噴水は19世紀前半に造られ、かつては村の人々の大切な水場として利用されていたそうです。
私が訪れた時、水は流れていませんでしたが、歴史ある風景に自然となじみ、この広場には欠かせない存在だと感じました。
エグリーズ通り
ジェンティ・パンタリー広場から南方向には、エグリーズ通り(Rue de l'Église)と呼ばれる小道が伸びています。
歴史を感じるこの通りには昔ながらの石壁の家々が並び、歩いているとゴルドならではの素朴な暮らしぶりが伝わってきました。
通り沿いには、中世から残る石造りのアーチを活かした店舗などもあり、古い建物が今の暮らしの中で使われ続けている様子を見ることができます。
サン・フィルマン教会
エグリーズ通りを少し歩くと、サン・フィルマン教会(Église Saint-Firmin)の建物が通り沿いに見えてきました。
現在の建物は18世紀に再建されたものですが、村を象徴する歴史ある教会です。
道幅が狭く、教会全体を写真に収めるのは難しかったのですが、近くで見る石造りの外観から歴史の重みを感じました。
通りに面した扉から静かな教会内部へ。
外観の雰囲気とは異なり、教会内部には色鮮やかな装飾や絵画があり、華やかな雰囲気となっていました。
サン・フィルマン宮殿地下と周辺
ゴルドの村には、岩盤をくり抜いて造られた地下の歴史的な貯蔵庫も残されています。
この地下施設は、かつて職人たちが生活や仕事のために利用し、物資の保管や作業を行う場所として使われていたそうです。
とても興味深い場所でしたが、今回は内部には入らず、高台から広がる景色を楽しみました。
石造りの階段を上った高台からは、リュベロンの田園風景やなだらかな丘陵地帯まで見渡すことができました。
近くには、テアトル・デ・テラス(Théâtre des Terrasses)と呼ばれる野外劇場があります。
この劇場は、かつての採石場跡を利用し、自然の地形を生かした造りとなっているようです。
垂直に切り立った岩肌がそのまま舞台の背景となり、石に囲まれた独特の造りは、コンサートなどで優れた音響を生み出すといわれています。
真下から見上げると、自然の地形を生かしたダイナミックな景色に圧倒されました。
ゴルドを訪れて
なんといっても印象に残ったのは、遠くから眺めたゴルドの村全体の景色で、岩山の斜面に沿って広がる石造りの街並みは素晴らしかったです。
実際に村を歩くと、細い路地や石壁の家々が続き、長い年月を重ねてきた建物の表情から昔ながらの暮らしを感じることができました。
ゴルド城や教会を巡った後、高台から見渡したリュベロンの風景も心に残った景色の一つです。
「天空の村」とも呼ばれるゴルドは、遠くから眺める美しい村の姿と、路地を歩いて出会う石造りの街並み、そのどちらにも魅力があり、また訪れたいと思える場所になりました。