Blogger

【コロッセオ ・フォロ・ロマーノ】 古代ローマ帝国の遺跡を巡る - イタリア旅行記

ローマには数多くの歴史的遺跡が点在しており、その中でもコロッセオ、フォロ・ロマーノなどは特に重要な文化遺産です。 ローマ帝国の栄光を今に伝えるこのエリアは歩いて回ることができ、壮大な遺跡の中でまるでタイムスリップしたかのような時間を過ごすことができます。

コロッセオからフォロ・ロマーノへ - 古代ローマの壮大な遺跡

コロッセオ

コロッセオ(Colosseo)は古代ローマ時代に政治の安定やローマ市民の娯楽のため造られた円形闘技場です。 紀元80年に完成し、約2000年の歴史を誇る世界的な文化遺産として多くの観光客を魅了し続けています。

目の前で見ると迫力に圧倒され、古代ローマの歴史を感じます。

コロッセオは壁の一部が半壊しています。これは、古代の大地震で崩れたことや、中世以降に資材として壁が再利用されたことが主な原因のようです。

コロッセオの正面入口より中に入りました。

コロッセオは4階建てで、最大80,000人もの観客を収容できたそうです。 床はほとんど崩れた状態ですが、そのおかげで地下の部屋や構造も合わせてじっくり見ることができます。

歴史の重みを感じる壮大な遺跡が目の前に広がる光景は今でも忘れられません。 時がそのまま止まったような空間の中で、まるで古代ローマの時代に迷い込んだかのような気分になりました。

フォロ・ロマーノ

フォロ・ロマーノ(Foro Romano)は古代ローマ時代の政治、経済、宗教の中心地であり、 市民の生活や文化を感じることができる貴重なエリアです。 ローマ帝国の繁栄を象徴する遺跡群が数多く残っているので、コロッセオと合わせて絶対に外せないスポットです。

コンスタンティヌスの凱旋門

コロッセオのすぐ近くに位置するコンスタンティヌスの凱旋門(Arco di Costantino)は、 ローマ皇帝コンスタンティヌス1世がミルウィウス橋の戦いに勝利したことを記念し、紀元315年に建てられたそうです。

皇帝の彫刻や精巧なレリーフが美しく刻まれ、細やかな装飾が施されています。 堂々とした佇まいで荘厳な雰囲気でした。

ウェヌスとローマ神殿

フォロ・ロマーノの東端にあるウェヌスとローマ神殿(Tempio di Venere e Roma)です。

愛と美の女神ウェヌスとローマの守護神を祀るために建てられたそうで、かなりの規模を誇る神殿だったそうです。 今では大きく損壊していますが、コロッセオ側から見るとその壮大な雰囲気を感じることができました。

ティトゥスの凱旋門

ウェヌスとローマ神殿のすぐ近くにあるティトゥスの凱旋門(Arco di Tito)は、 ローマ皇帝ティトゥスがユダヤ戦争に勝利したことを記念し、紀元81年に建てられたそうです。

外側は比較的シンプルなデザインですが、内部には非常に精緻なレリーフが施されています。 特に、鷲に乗って空を飛ぶティトゥスの像は戦いの勝利を象徴する重要なシーンを表しており、その迫力に圧倒されます。 その他にも、ティトゥスの凱旋行進の様子などが細部にわたって描かれており、じっくりと眺めたいポイントが多くあります。

ロムルス神殿

ティトゥスの凱旋門から西方向に進むと、円形の建物があります。 これはロムルスを祀るために建てられたロムルス神殿(Tempio di Romolo)です。

神殿の一部は未完成であり、完全な形ではないようです。

入口には青銅色のブロンズ製ドアがあり、ローマ時代の技術の高さを感じました。

ウェスタ神殿

ウェスタ神殿(Tempio di Vesta)はかまどの女神ウェスタを祀るため建てられたそうです。 元々円形の神殿だったようですが、現在残っているのはその建物の一部と3本の柱です。

カストルとポルックス神殿

ウェスタ神殿のすぐ近くにはカストルとポルックス神殿(Tempio dei Dioscuri)があります。 かつて壮麗な神殿の一部であったであろう白い3本の柱がそびえ立ち、広大な遺跡群の中でもひときわ目を引きました。

ディヴォ・ジューリオ神殿

カストルとポルックス神殿のすぐ北にあるディヴォ・ジューリオ神殿(Tempio del Divo Giulio)は ローマの軍人・政治家であったユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)」を祀るために建てられた神殿です。

カエサルと言えば、もはや引き返すことができないを意味する「賽は投げられた」という有名な言葉を残したことで知られています。

大部分が崩れ当時の神殿の姿は想像するのが難しかったのですが、祭壇の一部は残され、保護のため建物で覆われていました。 花が手向けられていたのを見て、カエサルがここで火葬されたのを実感し考え深いものがありました。

バシリカ・アエミリア

ディヴォ・ジューリオ神殿から更に北方向にはバシリカ・アエミリア(Basilica Emilia)があります。

商取引、集会の場として建設されたローマ最古の公会堂の一つです。 略奪や地震で破壊され、現在は広い敷地にその遺構が残るのみで儚さを感じさせます。

クーリア・ユリア(元老院議事堂)

バシリカ・アエミリアの前方にはクーリア・ユリア(Curia Iulia)があります。 カエサルによって改築された元老院議事堂で、ローマの政治の中心として重要な役割を果たしたそうです。

シンプルな形の茶色い家がしっかりと残っていましたが、20世紀に復元されたものだそうです。

サンティ・ルカ・エ・マルティナ聖堂

クーリア・ユリアの奥には美しいドームが特徴的なサンティ・ルカ・エ・マルティナ聖堂(Chiesa dei Santi Luca e Martina Martiri)があります。

7世紀に建てられた建物を17世紀にバロック様式で再建したもので、壮麗なファサードや装飾も見ごたえあります。 できれば内部の見学もしたかったなと残念でした。

セプティミウス・セウェルスの凱旋門

隣接して建つセプティミウス・セウェルスの凱旋門(Arco di Settimio Severo)は ローマ皇帝セプティミウス・セウェルスがパルティア戦争に勝利したことを記念し、紀元203年に建てられたそうです。

後方には、時計塔を持つセナトリオ宮(ローマ市庁舎)が前面から見た時とは全く異なる姿を見せており、 ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の上部にある彫像が小さく確認できました。

このエリアには、フォロ・ロマーノでも古い神殿の一つで紀元前500年頃建てられたとされるサートゥルヌス神殿(Tempio di Saturno)があります。 現在では8本の円柱とその上部のみが確認できます(下の写真の一番左側)。

更に、セナトリオ宮手前には父子2人の皇帝を祀るウェスパシアヌスとティトゥス神殿(Tempio di Vespasiano e Tito)があり、 現在3本の柱のみ残存しています。

また、1本の柱が立っていますが、これはフォカスの記念柱(La Colonna di Foca)です。 西ローマ帝国滅亡後、東ローマ帝国皇帝フォカスによって建てられ、フォロ・ロマーノの中では最後に建てられた記念碑とされています。

フォロ・ロマーノの遺跡群を見学し、何千年も前の建物が現存していることに深く感動しました。 ガイドさんの説明を聞きながらローマの歴史に触れることができましたが、もっと事前に勉強し改めて訪れたいです。

遺跡エリア観光マップ