プラハ城は歴代の王が居城とし政治の中核となった場所で、 現在もチェコ共和国大統領府が置かれています。 フラッチャニの丘の上に位置し、世界で最も古く大きい城としてギネスブックで認定されているそうです。
敷地内には教会、旧王宮、博物館などの見所多い建物があり、プラハ観光のハイライトとなっています。
プラハ城入口
プラハ城への入口は3ヵ所あります。正門はプラハ城西側にある門で、最も多くの観光客が利用することと思います。 私たちは北門からの入城となっており、プラハ城に向かって歩いて行きました。
正門と比べると、少し地味目の雰囲気かもしれません。 観光客の出入りもやや少なめです。
北門前にも衛兵さんがキリっと立ちっており、しっかり警備していました。 こちらでも、伝統の衛兵交代式が毎時行われているそうです。
コール噴水・聖十字架礼拝堂 - 第2中庭
北門から敷地に入ったところは第2中庭です。 ちなみに、正門から入城した場合は第1中庭から、この第2中庭に入ってくることになります。
周囲はグルリっと格式ある建物に囲まれており、 中央にはコール噴水(Kohl's Fountain)があります。 17世紀にバロック様式で造られたものです。
近くにある白い外壁で円柱状の建物は 聖十字架礼拝堂(Chapel of the Holy Cross in Prague)で、 聖ヴィート大聖堂に関する宝物が常設され展示されているそうです。
なお、手前に見えた鳥かごのようなものは何かと思ったら、 これは井戸ということでした。
旧王宮
更に東方向に進むと、第3中庭に入ります。
旧王宮(Old Royal Palace)は16世紀まで歴代王の居城として使用されていた建物です。 内部にあるヴラティスラフ・ホールは当時ヨーロッパで最大規模を誇り、 戴冠式などの厳かな行事も行われてきたそうです。
聖ヴィート大聖堂
さて、第3中庭でひと際目を引くのは聖ヴィート大聖堂(St. Vitus Cathedral)です。 プラハ城内最大の見所といえるでしょう。
西ファサード
そばでみると何とも大迫力! 高さ82mある2本の尖塔がそびえ立ち、なかなか写真に収めるのは難しい…! 入り口上部のバラ窓も見事です。
聖ヴィート大聖堂はゴシック建築で10世紀に創設後、600年ほどかけて増改築を繰り返し完成します。 このため、様々な建築様式が混合された造りとなっています。
正面となる西ファサードは見事!こちらから教会内部に入りました。
聖ヴィート大聖堂 内部
教会内はリブ・ヴォールト(Rib vault)による構造となっています。 ゴシック建築の特徴的な天井様式です。
リブにより天井は軽量化され、ステンドグラスで彩られた大きな窓の設置も可能となりました。
西ファサード入口上にあるバラ窓のステンドグラスです。
幾何学模様のガラスから色鮮やかな光が差し込み、うっとりする美しさでした。
教会内は他にも数多くのステンドグラスに彩られています。
主祭壇の上にも美しいステンドグラスがありました。
「聖キリルと聖メトディウス」のステンドグラスは、中でも必見の作品です。 チェコの有名画家ミュシャの作品だそうで、チェコ芸術の最高傑作と称されています。
「聖人ヤン・ネポムツキー殉教の絵」には、彼にまつわる3場面が描かれています。
絵の左から「王女の懺悔」「カレル橋から落とされる懲罰」「王の追及」のシーンです。
「聖人ヤン・ネポムツキーの墓碑」です。 彼はプラハ大司教総代理を務めるまで大出世したものの、権力争いから貶められ拷問の後殺されてしまいました。
非業の死を遂げたヤン・ネポムツキーですが、チェコ人聖人の中でも最も有名で人気があります。 頭上には5つの星が輝やいていました。
北方向には立派なパイプオルガンが置かれていました。
南ファサード
内部の見学を終え、聖ヴィート大聖堂を南側から眺めてみました。
時計台がある南塔は西ファサードから見た2本の尖塔より高く99.6mあります。 287段ある階段を登ると、プラハ市内の素晴らしい眺望を楽しむことができるようです。
さて、南ファサードの必見は黄金の門です。
黄金の門上部には最後の審判の素晴らしいモザイク画が描かれており、 艶やかに金色に輝いていました。
聖ヴィート大聖堂の側壁を見ながら、東方向に歩いて行きました。 ここで気になったのが、側壁から飛び出るたくさんの人形のような…?
これはガーゴイルと呼ばれ、何と「雨どい」の役目を持ち、 ぽっかりと開けた口から水が流れ出るようになっています。
12世紀後半からヨーロッパにおいて、ゴシック様式の大聖堂に多く取り付けられたそうです。
それにしても、ちょこっと気味悪い雰囲気を醸しだすものが多かったです。 魔除けの意味合いもあり、このように威嚇するような表情をしているのでしょう。
聖ヴィート大聖堂 東側
第3中庭から更に東側にある聖イジー広場まで歩いて行きました。
ここからは聖ヴィート大聖堂の東側の立ち姿を見ることができます。 600年ほどもかかり様々な建築様式が混合していることから、 眺める方向により全く違った印象を持つ建築物となっています。
聖イジ―教会
聖ヴィート大聖堂から広場を挟んで対面に建っているのは、聖イジ―教会(St George Church)です。 920年に創設された歴史ある教会ですが、火災で焼失後再建されたそうです。
聖ヴィート大聖堂の雰囲気とは全く異なり、美しいロマネスク建築の1つとして知られています。 赤い外壁を基調とし、白い尖塔が2本後方に見えました。
内部には聖人ヤン・ネポムツキー礼拝堂などもあるほか、 コンサートホールでクラシックコンサートが行われたりしているそうです。
黄金小路
プラハ城敷地内は見所が大変多く、まだまだゆっくりと滞在したいと思いましたが、 残念ながら、メインの観光を終え出口に向かい歩いて行きました。
でも!でも!
敷地内にはまだまだお勧めスポットがあります! プラハ城出入り口の1つである東門に向かって歩いて行く途中、とっても素敵な通りがあるのです。
黄金小路(Golden Lane)です。
通りには可愛い色とりどりの建物が並んでいました。 かつてこのエリアには金細工師が住んでいたことから、黄金小路と名付けられたそうです。
それぞれの建物は土産物店やカフェとして現在利用されており、 どのお店も とーっても可愛かったのです!
建物前のデコレーションもそれぞれ素敵で次々と写真に収めたり、 1軒1軒店内を覗き土産物を探したり、短い通りながら楽しいひと時を過ごしました。