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【旧閑谷学校】現存する世界最古の庶民学校 - 備前焼瓦の建物や楷の木の紅葉で知られる - 岡山旅行記

旧閑谷学校は1670年に創建され、約30年かけて現在の外観が完成されました。 現存する庶民のための学校としては世界最古のものです。

創建者は、江戸時代初期の3名君として知られている岡山藩主池田光政です。 山間の閑谷の地を視察した際に勉学するには最適の場所と考え、 武家階級だけでなく多くの庶民が学ぶことができるよう公立学校を設立したのです。

旧閑谷学校 - 見所・観光ポイント

旧閑谷学校は、紅葉の名所としても知られています。 残念ながら紅葉真っ盛りの時期は終わっていたようですが、入口前には鮮やかに色づく葉が残っていました。

閑谷神社

敷地内に入り、目の前にまず見えるのは閑谷神社です。 敷地内東端にあり、旧閑谷学校創建者の池田光政を祀っています。

観光客は少ない時期だったので、静かに参拝できました。 本殿内には光政の座像が安置されているそうです。

旧閑谷学校 - 聖廟

閑谷神社と並び西隣にあるのは聖廟です。 聖廟の前に左右並んで植えられている大木は楷の木です。

これは「学問の木」とされ、中国山東省曲阜の孔林から持ち帰った種から育ったものだそうで、 例年 11月上旬~下旬の紅葉時期には赤と黄色に見事に色づきます。

ですが・・・

・・・

私が訪れたのは12月に入ったばかりの頃でした。 色づく葉が残っていないかな…と少し期待していたんですが、残念ながらすべて落葉していました。残念…

さて、楷の木の奥の一段と高くなったところにあるのは聖廟です。 儒学の祖、孔子の徳を称える最も重要な施設だということです。

ここでは孔子の徳を称える「釈菜」の儀式が行われるそうです。 1686年に始まったこの儀式は現在も毎年10月第4土曜日に行われ、旧閑谷学校での伝統行事となっています。

薄暗い大成殿の中を、格子戸の合間からそっと覗いてみました。

大成殿に置かれた朱色の八角形聖龕内には、金色に輝く孔子像が安置されているそうです。

残念ながら孔子像は年に数日しか特別公開されてないそうで、 この日も閉ざされた聖龕と、写真の孔子像しか見ることはできませんでした。

旧閑谷学校 - 校門(鶴鳴門)

閑谷神社や聖廟のあたりから南側をみると立派な門が見えます。 これは旧閑谷学校の校門(鶴鳴門)です。

下の写真は正面から見たもので、 駐車場から旧閑谷学校に向かって歩いていく時、まず目に留まります。 備前焼の本瓦葺きの屋根で、花頭窓のある付属屋を付けた中国建築様式だそうです。

旧閑谷学校 - 講堂

旧閑谷学校のメインとなる建物が講堂です。 近世日本の教育遺産群として日本遺産に認定されている旧閑谷学校ですが、 中でも講堂は国宝に指定されており圧倒的な存在感です。

入母屋造りで、しころ葺きの大屋根造りになっています。 壮麗な雰囲気で、とても美しい外観です。

更に南方向から眺めてみました。

それにしても、モザイク状の備前焼瓦がなんて美しいのでしょう! 様々な焼き色の瓦が重なり合い、光の当たり加減で更に奥深い色合いを出していました。 これほど美しい屋根は見たことがないなぁ…と感動!

靴を脱ぎ建物内の見学をすることができます。

廊下もどこもかしこも、ピカピカ!

10本ある欅の丸柱など江戸当時のまま残されており、 火灯窓からは柔らかで明るい光が差し込み、ピカピカの床に反射していました。

紅葉の時期には美しく色づく楷の木の葉が床に写り込み、 素晴らしい床もみじを鑑賞できるそうです。

旧閑谷学校 - 小斎

講堂の南側には、時代を感じる小さな建物が隣接していました。 ここは現存する建造物の中で最も古く、藩主が臨学の際に使用した小斎です。

小斎の前面は雨戸で閉ざされており、 室内も、廊下から少ししか見えませんでした。

旧閑谷学校 - 飲室

教師と生徒たちが湯茶を喫した休憩室である飲室への入口です。

飲室の中央には炉があり、防火については厳重に注意されていたようです。

旧閑谷学校 - 習芸斎

習芸斎は教室として使われた部屋で、農民なども聴講できる授業もあったそうです。 丸い座布団がたくさん積まれていました。

旧閑谷学校 - 文庫

文庫には教科書・参考書が八千点余も所蔵されていたそうです。

旧閑谷学校 - 火除山

文庫からさらに西はこんもりとした人工山があります。 学舎や学房からの防火のため造られたそうです。

旧閑谷学校 - 石塀

旧閑谷学校全体は765mもの長さに及ぶ石塀で囲まれています。

火除山のあたりから石塀に挟まれた小道を西方向に進み、資料館へ向かいました。

旧閑谷学校 - 資料館

小道を少し歩くと、淡いピンクの建物がありました。 ここは校舎を利用した資料館です。

元々は学房跡に「私立中学閑谷黌」の本館として造られた建物だそうです。 1905(明治38)年に建てられたというだけあって、この建物にも歴史を感じます。

初め何の予備知識もないまま建物内に入ったのですが、 どう見ても元々は校舎?とすぐわかるような構造となっていました。

内部には旧閑谷学校の貴重な資料や、 授業風景のミニチュアなども展示されていました。

寄宿舎である学房では、 生徒たちは なんと休日以外は毎日朝7時から午後10時まで勉学に励んでいたんですって! いろいろと興味深かったです。

旧閑谷学校は想像していた以上に見所が多く、見学時間も要しました。 今回は楷の木の紅葉が見れなかったのが残念だったので、また機会があればそのシーズンに訪れてみたいです。

牛窓町のリゾートホテル・ホテルリマーニへ

さて、その日は「日本のエーゲ海」とも称される牛窓に宿泊する予定にしていたので、 山間の旧閑谷学校から瀬戸内に向かい車を走らせました。

途中、立ち寄った一本松展望園では、少し紅葉も見られました。

そして、美しい瀬戸内海が目の前に広がって見えました! 風景画のようで、とても素敵♪

ホテルリマーニからは更に美しい風景を見ることができるはず♪ 期待満々でホテルに向かいました。 (ホテルリマーニについては別ページに書きます)

旧閑谷学校周辺マップ

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