シュフィドニツァ(Swidnica)はチェコ国境に近い街で、 ヴロツワフからは南西方向 55kmほどのところに位置します。 ヴロツワフからクラクフに向かう途中、シュフィドニツァに立ち寄りました。
ヤヴォルとシュフィドニツァの平和教会群
ヨーロッパでは、1618年から30年にわたりプロテスタントとカトリックの対立から宗教戦争が続きました。 この三十年戦争の終結後、この地にはプロテスタントの3教会を建造することが認められます。
この3教会が、ヤヴォル、シュフィドニツァ、グウォグフの平和教会です。
グウォグフ平和教会は残念ながら1758年に全焼してしまいましたが、 残りの2教会はヤヴォルとシュフィドニツァの平和教会群 (Churches of Peace in Jawor and Swidnica)として世界遺産に登録されています。
長い年月の宗教戦争がやっと終わりを告げ、これからは争い事がないよう 平和を願う教会として建てられたそうです。
シュフィドニツァ平和教会 - 外観
今回訪れたのは、シュフィドニツァ平和教会です。 17世紀に建てられ、ヨーロッパ最大級の木造教会だそうです。
教会の建造に関しては厳しい規制があったとのこと。 1年以内に、石材・レンガなど耐久性がある素材は使わずに、 塔などは造らず、城壁外に建てるよう指示があったんだそうです。
山の奥深くにひっそりと建っているような雰囲気のシュフィドニツァ平和教会ですが、 実は旧市街からほど近く、市庁舎の北東方向 1kmほどのところに位置します。 (このページ下の、地図参照)
ヨーロッパでは完成に何百年もかかった教会は珍しくないと思うのですが、 たった1年以内に建てられた木造教会が今なお美しい姿で目の前にあることに感動です。
シュフィドニツァ平和教会 - 内装
教会内に入ると雰囲気がガラリと変わり、その豪華さに圧倒されます。 周囲は回廊で囲まれており、 シュフィドニツァ平和教会は7000人以上収容できる広さだということです。
主祭壇も目を奪われる豪華さ。 内部全体が美しく装飾され煌びやかです。 写真では少しわかりづらいのですが、天井には宗教画が一面に描かれており、それも見応えたっぷりでした。
主祭壇の左に見える説教壇も豪華で美しい! 主祭壇も説教壇も、木製だなんて思えない~
パイプオルガンも素敵!美しく装飾されています。
下の写真は、教会建設に大きく貢献したホフベルグ伯爵家(Hochberg)の専用席だそうです。 紋章などが飾られ何とも立派。
思い描いていた木造教会とはかけ離れた素晴らしいシュフィドニツァ平和教会の見学後、 再び木々の中を通り抜けてバスの方に向かいました。
教会の出入り口となる門の横にはカフェがあるのですが、 建物にからみついたツタの葉の紅葉が見事でした。
シュフィドニツァ旧市街
今回 シュフィドニツァで訪れたのは平和教会のみでした。 すぐ近くの旧市街などは観光しないまま、街を後にしましたが、 旧市街中心のシュフィドニツァ市庁舎は淡い黄色と白の壁面に赤茶色の屋根がとてもお洒落。
シュフィドニツァ市庁舎の塔からは、旧市街の素晴らしい風景を臨むことができるようです。 ポーランドでは、各都市を周遊しながら可愛い街並みを堪能してきましたが、 ここシュフィドニツァの旧市街も色鮮やかでとっても素敵 ♪ 近くを通ったはずなのに、街歩きをしてみたかったなぁ~
ヤヴォル平和教会
平和教会群のもう1つ、ヤヴォル平和教会は シュフィドニツァから北西方向 35kmほどのところにあります。
ヴロツワフの街から列車やバスを使って、アクセスよく行くことができるようです。 ヤヴォル平和教会も、シュフィドニツァ平和教会同様に内部は豪華絢爛で見所たっぷり。
周遊ツアーでポーランドを駆け巡る旅のため、すべての有名どころに立ち寄ることができないわけですが、 できればヴロツワフなどお気に入りの街に拠点をおいて、数日かけて各地の観光をゆっくりとしてみたいものです。
シュフィドニツァ周辺マップ
縮小すると、ヤヴォル平和教会やヴロツワフの街との位置関係がわかります。