シントラ(Sintra)は、ポルトガルの首都リスボンから 北西方向に約30kmほどのところに位置し、その文化的景観から世界遺産に登録されています。 詩人バイロンは、このシントラを「エデンの園」と称賛し、 「世界一美しい」町と感じたそうです。
独特の世界観にあふれ迷路のような庭園散策も楽しいレガイラ宮殿(Quinta da Regaleira)、 シントラの町を眼下にすばらしい眺望が楽しめるムーアの城跡(Castelo dos Mouros)、 まるでおとぎの国のようなペーナ宮殿(Palacio Nacional da Pena)など 見所がたくさんあります。
シントラ宮殿
ゆっくりと滞在できるならば、カラフルで可愛いペーナ宮殿などぜひ訪れたかったのですが、 ツアーの日程上、このシントラではシントラ宮殿(Palacio Nacional de Sintra)のみの見学となっていました。
外観
シントラ宮殿(Palacio Nacional de Sintra)はポルトガル王家の夏の離宮とされた宮殿で、 13世紀末にディニス王によって整備され、14世紀にジョアン1世が大改修を行いました。 白壁でシンプルな外観です。
2本ある大きな塔が特徴的。 この塔は33mもあり、台所の換気口として作られたそうです。
白鳥の間
白鳥の間(Swans Room)は、晩餐会や宮廷舞踏会に使用された大きな広間です。 天井には、27羽の白鳥が描かれています。
これらの白鳥はジョアン1世が描かせたもので、 27歳の時イギリスに嫁いだ娘カタリーナの幸せを願ったものだそうです。
カササギの間
カササギの間(Magpies Room)は、王の執務室として使われた部屋です。 壁面は美しく飾られています。
天井にはこの部屋の由来となったカササギが136羽描かれています。 ジョアン1世が浮気現場を王妃に目撃された折、弁明のために描かせたといういわく付きだそうです。
紋章の間
シントラ宮殿内で最も豪華で見応えがある部屋は、紋章の間(Coats of Arms Room)でしょう。 平面一面には、狩猟風景などが描かれた美しいアズレージョが敷き詰められています。
そして、眩いばかりの黄金の装飾が見事な天井は目を見張る美しさです。 王や王族、そして72家の貴族の紋章が煌びやかに並んでいます。
厨房
シントラ宮殿では、厨房(Kitchen)も必見です。 壁面には立派な紋章が掲げられていました。
厨房は大変広く、数多くの調理用品が並んでいました。 当時のシントラ宮殿が数多いゲストで賑わっていたことが想像されます。
そして、上を見上げると天井には丸い穴が! これは、シントラ宮殿の特徴的な塔、33mもある煙突の穴を内側から見たものです。 雨天の時はどう塞いでいたのかな・・(説明してくれたような気がするけど、忘れちゃった・・・)
宮殿内 - その他の見所
礼拝堂アラベスク模様の壁に囲まれた礼拝堂は、14世紀に改築されたそうです。
セバスティアン王の寝室この寝室も、アズレージョで美しく飾られています。
アラブの間部屋の中央には噴水が置かれていました。
ガレオン船の間大航海時代の物流を支えた帆船が描かれています。
ユリウス・カエサルの間見事なタペストリーが掛けられています。 ローマの英雄である、カエサルが描かれています。
他にも、各部屋には素晴らしい調度品の数々が置かれています。 見応えたっぷりの宮殿内です。
レプブリカ広場
レプブリカ広場(Praca Republica)はシントラ旧市町の中心となる広場で、 シントラ宮殿のすぐ南に広がる観光拠点となる場所です。 周辺には色彩豊かな建物が立ち並んでいます。
レプブリカ広場周辺には、レストランやお土産店がたくさんあります。 散策時間は短かったのですが、土産物を探しながら町歩きを楽しみました。
シントラ宮殿の南方向にある標高450mの山頂に見える城壁、これがムーアの城跡です。
ムーアの城跡は、7~8世紀頃ムーア人によって築かれた城跡で、 そこからの景観は大変素晴らしいとのこと。 ゆっくりと観光する時間があったなら、その城壁歩きと眺望をぜひ楽しみたかったです。
ムーアの城跡に行くことはできなかったのですが、 シントラ宮殿からは北東方向に広がるシントラの町の風景を眺めることができました。 すぐ目の前に見えたのは、シントラ市役所でしょうか。
天候にも恵まれ、「エデンの園」と称賛されたシントラの町の風景と、 美しく豪華なシントラ宮殿の観光を時間をかけて堪能することができました。
シントラ宮殿周辺 航空写真
縮小すると、ポルトや、リスボンとの位置関係がわかります。