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【ブラショヴ】 ドイツ移民が造った可愛い街 - 中世の雰囲気溢れる - ルーマニア

トランシルバニア地方にあるブラショヴ(Brasov)は、 ルーマニアの首都 ブカレストから北方向 約170kmのところに位置し、 周囲をカルパティア山脈に囲まれています。

ルーマニア第2の都市であり、12世紀にドイツ人移民によってつくられました。 このためドイツの雰囲気いっぱいで、とっても可愛い街なのです。

旧市街中心 スファトゥルイ広場へ

ブラショヴ旧市街の北にあるルドルフ公園(Rudolf Park)近くの駐車場でバスを降り、 旧市街の散策に向かいました。 小さな公園ですが、馬像などに囲まれたお洒落な噴水がありました。

道路を挟んで南には、国立のトランシルバニア大学(Transilvania University)があり、 その敷地東側から南に伸びるムレシェニロル通り(Muresenilor Street)を 旧市街に向かって歩いて行きました。

普段は少し歩くのも億劫な私ですが、ヨーロッパの街並みを眺めながら歩くのは全く苦になりません。 南方向に400mほど歩くと、旧市街のメイン広場に到着しました。

スファトゥルイ広場

スファトゥルイ広場(Piata Sfatului)の中央には旧市庁舎がそびえ立ち、 中世の歴史ある美しい街並みが広がっています。

ブラショヴの観光拠点となる広場で、常に多くの観光客で賑わっています。

旧市庁舎のすぐ南には大きな噴水があります。 噴水周囲にはベンチが半円状に並んでおり、寛いでいる人も多く見られました。

パステルカラーの美しい建物が立ち並び、何とも言えない美しさです。

多くのカフェやレストランがあり、地元の人や観光客で賑わっていました。

旧市庁舎

旧市庁舎 (Muzeul de Istorie)は、スファトゥルイ広場でひと際目立つ存在感ある建物です。 1420年に建てられた歴史ある建物で、高さ60mある時計塔が印象的です。

ファザードも美しいです。 現在は歴史博物館として開放されており、 トランシルヴァニアの歴史などに関する展示がされているそうです。

聖母被昇天教会

旧市庁舎の北方向には、シルバーに光る尖塔が飛び出ているのが見えました。

これは聖母被昇天教会(Catedrala Ortodoxa Adormirea Maicii Domnului)です。 ルーマニア正教会だそうで、周囲の建物とは少し雰囲気が異なっています。

ここから奥に入ると、中庭に教会への入口があるそうです。 祭壇や壁面画も美しいそうで、中を見学できなかったのがちょっと残念。。。

フリータイムに周辺を散策した後、再び前を通ると、 花嫁さんの姿が見えました。 旅行先の教会でこのような風景をよく見かけますが、とっても素敵でした♪

黒の教会

スファトゥルイ広場の南西方向には、そびえ立つ大きな建物が見えました。

これは黒の教会(Black Church)です。 そばで見ると、やはり大きい~!

高さは65mあり、大変 存在感ある教会です。

でも、黒の教会と言うものの、黒くはないのでは?

正式名は聖マリア教会だそうですが、 17世紀に火事のために外壁が黒く焼けてしまったため、黒の教会と呼ばれるようになったそうです。 現在は修復されているのでしょう。

更に道なりに南西方向に歩いて、違う方向から眺めてみました。

文字盤はとってもお洒落。 でも、近くで見ると時計塔も見上げる高さ、外観もカメラに収まりきれないです。

黒の教会は内部見学しましたが、印象は薄いです。。 残念ながら写真撮影不可でしたし、 「中世の街並み」の方にすっかり魅了されていたためです。

見所としては、教会内部には ルーマニア最大のパイプオルガンがあります。 コンサートも行われているそうです。

ところで、帰り際に黒の教会付近を見たら、何だか白い煙がモクモク!!??

ぼや騒ぎ?火事?

少しすると、通りの向こうから 消防車がサイレンを鳴らしながらやってきました。 大したことはなさそうだったけど、ちょこっとヤバい状態だったのかな・・・とびっくりしました。

トゥンパ山

スファトゥルイ広場から南方向に見えるのは、トゥンパ山(Muntele Tampa)です。 標高865mの小高い山で、ロープフェーで簡単に行くことができるそうです。

山上には「BRASOV」と書かれた白い文字が遠目ながらはっきりと見えました。

トゥンパ山は、ブラショヴの街を眼下に一望できる人気の観光名所です。

ブラショヴでもっとゆっくりと時間を過ごすことができたなら、 赤茶色の屋根の家々が広がる風景をぜひ見たかったなぁ~。

スケイ地区へ

さて、本来ブラショヴの街ではもう少し観光時間があったはずでした。

しかし、2日分の観光が1日に凝縮されていたため、 スケイ地区の観光に大きくしわ寄せがきてしまったのです。

日程が変更された理由は こちらで触れています

スケイ地区は、ドイツ人移民が12世紀にブラショヴの街を形成する際に ルーマニア人居住区とされました。 旧市街中心から南西方向に歩いて15分ほどのエリアです。

一方ドイツ人は旧市街中央部を居住区とし、 周囲を城壁で囲んでブラショヴ旧市街を二分化したのです。

街の外側地区に追いやられたルーマニア人は市民として認められず、 城壁内に自由に出入りすることもできなかったそうです。

スケイ門

スケイ門(Poarta Schei)は19世紀に造られたものです。 ドイツ人とルーマニア人の交流地点の1つでした。

エカテリーナ門

1559年建設 エカテリーナ門(Ecaterina's Gate)は16世紀に造られ、 スケイ門と同じくドイツ人とルーマニア人の居住区の境となった門です。

スケイ門はシンプルな外観だけど、エカテリーナ門は、美しい赤い尖塔があって素敵な雰囲気です。

聖ニコラエ教会

ブラショヴ旧市街中心部の観光後、一度この地を離れシギショアラ観光に向かいました。 そして、再びブラショヴに戻り、スケイ地区を訪れたのは19時半過ぎだったと思います。

暗闇の中、目の前にはまるでシンデレラ城のように浮かび上がる美しい建物が見えました!

こんな暗闇の中で「観光」できるの?・・・って思っていましたが、 美しいシルエットにテンション上々♪

門をくぐり敷地内に入っていきました。

聖ニコラエ教会 (St. Nicholas Church)は、スケイ地区にあるルーマニア正教会です。 虐げられてきたルーマニア人にとって、心の拠り所となる場所であったのでしょう。

13世紀にゴシック様式で建てられましたが、現在はバロック様式の美しい姿を見せてくれています。

教会内には見応えあるフレスコ画が保存されているそうです。 外側の壁面にも年代を感じるフレスコ画が見られました。

建物周囲には、もっとたくさんのフレスコ画が残されているようでしたが、 明るい時間に散策できず残念でした。

ルーマニア最初の学校博物館

聖ニコラエ教会前は木々が茂る小さな庭園になっており、 すぐ隣には1583年に開校したルーマニア最初の学校 (Muzeul Primei Scoli Romanesti)があります。

学校は、現在 博物館になっているということです。

建物前にあるのは、ディアコヌル・コレシー(Diaconul Coresi)の像です。

彼はルーマニア言語統一に貢献しました。 また、翻訳家、印刷業者として、16世紀にルーマニア語で書かれた最初の本を出版した偉人だそうです。

統一広場

聖ニコラエ教会を背に、元来た道を戻りました。 教会前は広場になっています。

スケイ地区の中心、統一広場(Piata Unirii)です。

統一広場には、銃を抱え大きく前のめりの勇ましい像があります。

これは無名戦士の像(Statuia Soldatului Necunoscut)です。

黒い像のため暗闇の中でおおよそのシルエットしかわからなかったのですが、 第一次世界大戦で戦った名もなき戦士を祀るため造られたものだそうです。

夕食は統一広場の北側に面して建つ「Casa Romaneasca」というレストランで 用意されていました。

地元客の他にツアー客の利用も多いルーマニア料理店だそうです。

店内には陽気な音楽が流れ、何かのパーティーかな?  楽しそうにダンスして盛り上がっている家族がいました。

夕食の料理名は忘れちゃったけど、デザートはパパナッシュということでした。 ドーナツ風のルーマニアの伝統的なスイーツだそうです。

スケイ門、エカテリーナ門を実際に近くで眺めたり、 聖ニコラエ教会周辺をゆっくりと明るい中で散策できなかったのは少し残念でした。

でも、ライトアップされた輝く聖ニコラエ教会はとても美しく、 ブラショヴでは充実した観光を楽しむことができました。

ブラショヴ旧市街観光スポットマップ