カザンラク(Kazanlak)は ブルガリアの首都 ソフィア(Sofia)から東方向 200kmほどのところに位置し、 バラの街として有名です。
バラのシーズン、6月にはバラ祭りが行われ、民族衣装を着た地元の人々がバラの摘み取りを行い、 メインストリートでは賑やかなパレードを見ることができます。
バラ博物館
バラの谷と呼ばれるエリアの中でも、 バラの生産地として最も有名なのが カザンラクです。 バラ博物館（Rose Museum）は、カザンラクの街の中心にあるバラ公園内にあります。
建物は近代的で、館内は明るいガラス張りになってます。
建物内にはローズオイルの製造過程などが道具とともに展示されています。
館内で写真撮影するには別料金が必要でした。 私は特にここでの写真はいらないかな・・と思ったので、説明を聞きながら館内の見学をするのみにしました。
中庭には様々な種類のバラが植えられており、 バラのシーズン中には満開のバラを楽しむことができるようです。 シーズンオフで、ちょっと残念でした。
カザンラクは世界最大のローズオイルの生産地で、良質なローズオイルを購入することができ、 1階入り口近くの売店では、バラのジャムやリキュール、化粧品などが売られていました。 私は、ハンドクリームなどを自分と娘たち用に数本購入しました。
トラキア人の墓
カザンラクで見逃せないのが、世界遺産である トラキア人の墓（Thracian Tomb of Kazanlak）です。 トラキア人は紀元前3千年ごろから東ヨーロッパ周辺に住んでいた民族で、 カザンラクの墳墓は、紀元前4世紀頃に造られたものだそうです。
2つ並んだ建物のうち、アーチ型になった赤レンガの建物はイスラム時代の遺跡だそうです。
そして、右側の厳重に柵で覆われ施錠された石造りの建物の中にトラキア人の墓があります。 この墳墓は1979年に世界遺産に登録されたそうです。
残念ながら、このオリジナルの墳墓は大変貴重な文化遺産のため見学することができません。 その代わり、オリジナルの墳墓から少し奥に歩いて行くと小さな建物があり、 その中で墳墓のレプリカを見ることができます。
建物内に入ると、墳墓のレプリカへの入口が目の前にありました。 中に入って撮影するのは有料となります。
壁や天井一面は色鮮やかなフレスコ画で埋め尽くされていました。 戦士や馬などが生き生きと描かれ、当時の様子がわかります。
レプリカとはいえ、本物と全く同じように描かれているそうで大変見応えがあります。 細やかなところまでそっくりに再現されているそうです。
オリジナルの墳墓は見ることができなかったけど、紀元前4世紀頃に描かれたフレスコ画が 現在も同様の状態で残っているのかと思うと感動ものでした。
カザンラクでの観光を終え、次の目的地 ヴェリコ・タルノヴォに向けて出発しました。 さすがバラの街、道路路肩には、秋バラが綺麗に咲いていました。
バルカン山脈とシプカ峠
この日はバス移動の時間が非常に長かったのですが、 バスの窓の外には素晴らしい風景が広がっていました
ブルガリア中央部を560kmにわたって延びるバルカン山脈です。 単調な道が続いていましたが、標高約2400mある雪山の素晴らしい景色に見入ってしまいました！
ヴェリコ・タルノヴォに向かうには、このバルカン山脈を越えていきます。 山脈越えのメインルートとなっているのは、標高約1200mのシプカ峠です。
シプカ峠にある休憩所では、ブルガリアで一番美味しい～と言われる 水牛のヨーグルトを食べることができます！
このシプカ峠は、1877年から1878年の露土戦争「シプカ峠の戦い」の舞台となりました。 山上に小さく見える記念碑は、戦いで命を落とした兵士の慰霊碑です。
シプカ国立博物公園の中にあり、山々が連なる壮大で素晴らしい風景を眼下に望むことができます。
休憩所周辺や、道沿いには積雪が見られました。
再びバスに乗り込み、ぐるりぐるりとU字のヘアピンカーブを通りながら峠を降りて行きました。
しばらく美しい風景が続き、 ところどころには丸くこんもりとした小山が見えました。
これらは、トラキア人の古墳だそうです。 紀元前に造られたもので、この周辺だけでも、100以上もあるとか。
しばらくバスに座ったままの移動時間が続きましたが、 車窓からの風景が素晴らしく思っていたよりもたいくつしないまま ヴェリコ・タルノヴォの街が近づいてきました。
見えてきた川は全長は286kmのヤントラ川です。 蛇行しながらヴェリコ・タルノヴォの街中を流れています。
朝プロヴディフのホテルを出発し、カザンラクを経由してヴェリコ・タルノヴォに到着！ バスの移動時間は4時間ほどでした。
ヴェリコ・タルノヴォの街散策については別ページに書きます。
カザンラク周辺マップ
プロヴディフ、カザンラク、ヴェリコ・タルノヴォ周辺の地図です。
（青色ライン：ツアーバスの走行ルート）
