グラナダ(Granada)はスペイン南部、アンダルシア地方に位置する街です。
世界遺産に登録されているアルハンブラ宮殿をはじめ、イスラム文化の歴史遺産が街の至るところに残っており、歴史と美しい景観を同時に楽しむことができます。
アルハンブラ宮殿・ヘネラリフェ離宮
アルハンブラ宮殿
アルハンブラ宮殿は、スペインを代表する重要な世界遺産で、13世紀半ばから14世紀にかけて築かれた王宮です。
美しいイスラム装飾や中庭、噴水など、見どころ満載!
宮殿のテラスからは、グラナダ市街やシエラネバダ山脈の壮大な景色を一望できます。
車両の門
車両の門(Puerta de los Carros)は16世紀、カルロス5世の時代に王宮周辺の通行や物資の搬入を目的として整えられた門だそうです。
カルロス5世宮殿の近くに位置し、アルハンブラ宮殿内の歴史的建築として今もその姿を残しています。
正門である裁きの門(Puerta de la Justicia)と共に、宮殿への入口として利用されています。
サンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会
車両の門からすぐ北方向に見えるのは、サンタ・マリア・デ・ラ・アルハンブラ教会(Iglesia de Santa Maria de la Encarnacion - Alhambra)です。
この教会は、イスラム時代のモスク跡地に建てられたもので、16世紀にルネサンス様式で造られた荘厳な外観と美しい塔が目を引きます。
カルロス 5 世宮殿
カルロス 5 世宮殿(Palacio de Carlos V)は、皇帝カルロス5世により16世紀に建設されたそうです。
石壁に丸い形や四角い形の窓が整然と並び、重厚な造りの正方形の外観が印象的。
ところが中に入ると、全く印象の異なる円形の中庭が広がっていました。
整然と並ぶ円柱に囲まれた中庭は、外側の重厚な正方形の外観とは対照的。 このような建築技法は見たことがなかったため、その魅力にかなり引き込まれました。
カルロス5世宮殿あたりから西方向を見渡すと、アルハンブラ宮殿の城壁の一角にある塔が目に入ります。
アダルグエロの塔(中空の塔)(Torre de Adarguero)は、ナスル朝時代に監視などを目的として建てられたそうです。
(下の写真 左の塔)
オメナヘの塔(Torre del Homenaje)は、防衛の役割に加え、王の儀式の場としても使用された重要な役割があったようです。
(下の写真 右の塔)
メスアール宮
アルハンブラ宮殿の中核となるのは、豪華でイスラム建築の傑作といえるナスル朝宮殿です。
宮殿は主にメスアール宮、コマレス宮、ライオン宮の3つのエリアで構成されています。
まず向かったのはメスアール宮(Palacio del Mexuar)。
ナスル朝宮殿の中でも古い歴史を持ち、外観はシンプルで落ち着いた雰囲気。王の公的な儀式や執務が行われていた宮殿だそうです。
一方、内部は精緻で華やかな装飾が施され、柱や壁一面に描かれた幾何学模様の美しさに圧倒されます。
見学ルートの途中では、窓からすばらしいグラナダ市街の風景を望むこともできました。
コマレス宮
次に、コマレス宮(Palacio de Comares)へ。
ナスル朝宮殿の中でも中心的な宮殿で、政治的な会談や儀式など外交に利用されたようです。
コマレス宮内部も、素晴らしいモザイク装飾が施されており、(うまく写真に収められてないのですが)圧倒される美しさでした。
そして、何といっても見事なのはアラヤネスの中庭(Patio de los Arrayanes)です!
見所の多いアルハンブラ宮殿の中でも、私は最も印象に残っています。
細長い長方形の水面に周囲の建物が静かに映り込み、空の青さ、周囲の緑と合わさり本当に美しかったです。
塔と反対側を眺めても、回廊のアーチが水面に映り絵になる風景でした。
ライオン宮
ライオン宮(Palacio de los Leones)は王の私的な宮殿として造られたそうです。
上部には透かし彫りされた美しい装飾が施され、どこを見ても圧倒される豪華さ。
中でも、アベンセラヘスの間(Sala de los Abencerrajes)の天井は見事な鍾乳石飾り(ムカルナス)で覆われており、差し込む光と合わさって幻想的な美しさでした。
小さな写真では伝わらないけど、無数の小さなパーツが複雑な模様を描いており、どのような行程で建造されたのかその技術には驚かされました。
二姉妹の間(Sala de las Dos Hermanas)と呼ばれる部屋にも見所があります。
この部屋にあるステンドグラスの天井は創建当時のままだそうで、アルハンブラ宮殿の中に現存するのはここだけだそうです。
このようにアルハンブラ宮殿の見所は数多くありますが、ライオンの中庭(Patio de los Leones)も必見の観光スポットです。
中庭を囲む回廊の柱には精緻なアラベスク模様が描かれ、どこを眺めても美しい!
そして、中庭の中央には12頭のライオンが支える大理石の噴水が置かれています。
でも、勇ましさを感じるライオンではなく、なんだか穏やかでユニーク。全然ライオンっぽくなく、コミカルな感じでちょっと面白かったです。
ライオンの中庭から北方向にはリンダラハの庭(Jardines del Lindaraja)があります。
アルハンブラ宮殿の中の細やかな装飾や幾何学模様に圧倒され、もう頭の中も胸の中もいっぱい状態でしたが、 自然の緑に覆われた庭を眺めちょうど良い休息になりました。
また、回廊の窓からの眺望も素晴らしいものでした。
パルタル宮
ライオン宮から更に東方向に進むと、パルタル宮(Palacio del Partal)があります。
ここはかつて王が過ごした離宮のひとつだそうです。他の建物に比べて人も少なく、穏やかな雰囲気でした。
周囲には庭園が広がり、緑豊かな木々や色鮮やかな花を眺めながら少し散策の時間。
次に、歩いて15分ほどのヘネラリフェ庭園へと向かいました。
ヘネラリフェ離宮
ヘネラリフェ離宮(Generalife)はナスル朝の王族の夏の別荘として14世紀に造られたそうです。
緑に囲まれ、丘の上にそびえる白い外観がとても素敵。
ヘネラリフェ庭園
ヘネラリフェではヘネラリフェ離宮に隣接するヘネラリフェ庭園(Jardines del Generalife)を中心に見学しました。
垣根で作られた入口!緑の門から中へ。
噴水の水音が心地よく響き、緑豊かな木々に囲まれた小道が続く庭園では、心安らぐ時間を過ごせました。