パレルモ(Palermo)はシチリア島最大の都市で、北西沿岸部に位置します。 地中海貿易の中継地として古くから栄え、多文化の影響を受けてきた独特の歴史があります。
旧市街にはアラブ・ノルマン様式の建造物が点在しており、歴史的な雰囲気を感じながら散策を楽しみました。
パレルモ旧市街 - 観光スポット
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マリーナ広場
パレルモには昼頃に到着し、まずはマリーナ広場(Piazza Marina)でツアーバスを降りました。
緑豊かな広場にはレストランやカフェが多く、食事を楽しむのにぴったりの場所でした。
ガルバルディ庭園
マリーナ広場の中心にはガルバルディ庭園(Giardino Garibaldi)があり、たくさんの大木が生い茂っていました。
中でもひときわ目を引いたのは、樹齢100年を超え、高さは30mにも達するというフィカス・マクロフィラ(Ficus Macrophylla)です。 聞きなれない名前でしたが、実はゴムの木の仲間だそうです。
カメラには全く収まりきらない大きさに、ただただ見上げるばかりでした。
ガレッティ宮殿
広場の南側にあったのはガレッティ宮殿(Palazzo Galletti)で、現在は行政施設として使用されているそうです。
建物は19世紀にネオゴシック様式で修復されており、周囲の街並みに溶け込んでいる感じでした。
それよりも目立っていたのが、宮殿前に凛々しく立つ大きな像。
彼女はパレルモの守護聖人ロザリア(Santa Rosalia)で、 毎年7月に行われる「聖ロザリア祭」では山車が華やかに飾られ、祭りの主役として街中を練り歩くのだそうです。
サンタマリア・ デイ・ミラーコリ教会
ガルバルディ庭園の南側の角には、シンプルな外観の小さな教会がありました。 これはサンタマリア・ デイ・ミラーコリ教会(Chiesa di Santa Maria dei Miracoli)です。
かつて壁に描かれた聖母マリアのイコンが奇跡を起こしたとされ、その出来事をきっかけに16世紀に創建されたと伝えられています。 しかし、現在は目立たず静かに佇んでいる印象でした。
ガルバルディ庭園近くのレストランで昼食をとった後、再びツアーバスに乗ってパレルモ旧市街の西側にあるヌオーヴァ門へ向かいました。
途中、車窓からは地元の人々が利用する市場が並ぶ様子も見られ、日常の風景が垣間見れて興味深かったです。
ヌオーヴァ門
ヌオーヴァ門(Porta Nuova)はパレルモ旧市街の入口門の一つで、16世紀に造られたものだそうです。
カルロ5世による戦争の勝利を記念してた凱旋門ということで、非常に重厚で豪華な外観です。
特徴的なのは、イスラム教徒の捕虜の像とされる4体の彫刻です。 勝者の征服の象徴として2体は腕を切られた姿となっているそうですが、そう思いながら見ると、どこか不気味さを感じてしまいました。
一方、旧市街側から改めて見ると、両側の歴史的建物と一体化されて広がりを見せ、より落ち着いた雰囲気でした。
ヌオーヴァ門からまっすぐ伸びるのはヴィットリオ・エマヌエーレ通り(Via Vittorio Emanuele)です。
ヴィットリオ・エマヌエーレ通りはパレルモで最も古く、西のヌオーヴァ門から東はマリーナ広場や港の方まで東西に伸びるメインストリートです。
振り返って見ると、並木道の緑とヌオーヴァ門の重厚な石造りが美しく調和し、とても素敵でした。
ノルマンニ宮殿
ノルマンニ宮殿(Palazzo dei Normanni)はヌオーヴァ門に隣接して建っています。
9世紀に創設された後、12世紀に王宮として大規模改修が施されました。 内部にあるパラティーナ礼拝堂(Palazzo Reale e Cappella Palatina)はアラブ・ノルマン様式建造物として知られ、 モザイクや装飾はすばらしいとされています。
ヴィットリオ・エマヌエーレ通りを歩きながら外観を眺めただけで、立ち寄れなかったのは残念でした。 現在はシチリア州議会庁舎として利用されているようです。
パレルモ大聖堂
少し歩くと、通りの左手に壮大な姿を現したのはパレルモ大聖堂(Cattedrale di Palermo)です。
12世紀に創設され、その後改築や増築が繰り返され、アラブ・ノルマン、ゴシック、バロック、その他多文化が混ざり合った歴史的建造物となっています。
内部は白を基調とし、シンプルながら装飾などが美しく落ち着いた雰囲気でした。
なお、見過ごしてはいけないのが大聖堂後部の外観です。
大規模な改修により創設当初の姿はかなり失われたものの、 後方からは幾何学模様やイスラム建築の影響を受けたアーチ形状など名残を感じることができます。
ボローンニ広場
更にヴィットリオ・エマヌエーレ通りを東方向に歩いて行くと、ボローンニ広場(Piazza Bologni)があります。
中央にはローマ帝国皇帝カルロ5世(Statua di Carlo V)像が立ち、広場周囲にはレストランやカフェが並んでいました。 散策途中の休憩にぴったりな場所です。
現代美術館
広場から通りを挟んで反対側には現代美術館(Palazzo Riso)がありました。
元はリーゾ家が所有するベルモンテ宮殿であったというだけあって、バロック様式の豪華な外観でした。
クァットロ・カンティ
ボローンニ広場からさらに東へ進むと、パレルモ旧市街の中心とも言えるクァットロ・カンティ(Quattro Canti)があります。
四つ角に面した建物の壁面それぞれには美しいバロック様式の装飾が施され、3段の彫像が見られました。
一番上の段はパレルモの守護聖人像、二段目は歴代統治王像、三段目は四季を表す女性像ということです。
プレトリア広場
クァットロ・カンティの四つ角を南に少し歩くと、プレトリア広場(Piazza Pretoria)があります。
プレトリアの噴水
プレトリア広場中央にあるのは、ルネッサンス様式のプレトリアの噴水(Fontana Pretoria)です。
周りにはフィレンツェから運ばれた30体にも及ぶ彫像があり、そのほとんどが裸体であることから恥の噴水なんて呼ばれることもあるそうです…
パレルモ市庁舎(プレトリオ宮)
広場に面して南に建つのはプレトリオ宮(Palazzo Pretorio)です。 15世紀に創設後、改修を繰り返し現在のような美しい外観となっています。
現在はパレルモ市庁舎として利用されており、一部の部屋は一般公開されているそうです。
サン ジョゼッペ ディ テアティーニ教会
広場に面して西に建つのはサン ジョゼッペ ディ テアティーニ教会(Chiesa di San Giuseppe dei Padri Teatini)です。
17世紀に造られたそうで、マヨルカ焼きのタイルで覆われた大きなドームが目を引きます。 内部は大変煌びやかで見ごたえあるそうなので、この広場で散策時間が取れなかったのはちょっと残念でした。
サンタ・カテリーナ・ダレッサンドリア教会
広場に面して東に建つのはサンタ・カテリーナ・ダレッサンドリア教会(Chiesa di Santa Caterina d'Alessandria)です。
14世紀に女子修道院として創設され、その後、数世代にわたり改修されてきたようです。
下の写真は、ベッリーニ広場に面した正面ファサードです。 内部はバロック様式の装飾が見事で、美しい中庭も見どころの一つとのことでした。
ベッリーニ広場
ベッリーニ広場(Piazza Bellin)はプレトリア広場の南方向にあります。 小さな広場ですが、この周囲にも歴史的な建物が並んでいます。
ベッリーニ劇場
広場に面して東に建つのはベッリーニ劇場(Teatro Bellini)です。 17世紀に創設された重要な文化施設で、長い歴史を持っています。
その後、火災に見舞われましたが、修復され現在もオペラや音楽公演などが行われているそうです。
マルトラーナ教会
広場に面して南に建つのはマルトラーナ教会(Santa Maria dell'Ammiraglio)です。
12世紀に造られ、アラブ・ノルマン様式建造物の1つとして世界遺産に登録されています。 内部の床や天井の豪華なモザイクは大変見ごたえあるとのことでした。
サン・カタルド教会
そしてマルトラーナ教会と並んで建つのはサン・カタルド教会(Chiesa di San Cataldo)です。
こちらも12世紀に造られ、マルトラーナ教会同様にアラブ・ノルマン様式建造物の1つとして世界遺産に登録されています。
屋根の上にはアラブ風の赤いクーポラが3つ並び、とっても可愛い外観で印象に残りました。
次に、ヴィットリオ・エマヌエーレ通りから北方向にあるマッシモ劇場に向かいました。
途中で見かけた通りも素敵。
クリスマスマーケットのお店も見かけました。平日昼間だったせいか、時期がまだ早かったからか、とても静かで落ち着いた雰囲気でした。
マッシモ劇場
マッシモ劇場(Teatro Massimo)はイタリア最大の規模を誇り、世界でも有数の劇場として知られています。
外観
正面には6本の大きな柱が並び、古代の神殿のような威厳があり圧巻の佇まいでした。
館内見学ツアー
そして、ぜひ目にしたい豪華な劇場内部。
マッシモ劇場でオペラなどの公演を観劇できれば最高ですが、今回はその時間も予約もありません…
しかし、劇場では館内見学ツアーが行われていることを聞き、2時間ほどフリータイムができたので参加することにしました。
館内見学ツアーは約40分ほどで、英語とイタリア語でのガイド付き。 約10人ほどのグループで順番に回ることになります。まずはエントランスへ。
ゆったりとしたサロン。とっても優雅な雰囲気。
そして、豪華なメインホール。煌びやかで豪華。 舞台の上ではリハーサルが行われていました。
演目はわからなかったのですが、リハーサル風景とはいえ優雅に踊る姿を見ることができ本当に感動しました。 いつまでも眺めていたかった一コマです。
天井画も素晴らしかったです。劇場の天井は空調のため開閉可能な仕組みになっているそうです。
見学ツアーは、想像をはるかに超える素晴らしいものでした。 実際にリハーサルを行っている場面を見ることができ、ほんのひとときでも舞台の臨場感を味わうことができました。
感動を胸に劇場から外に出てみると、もうあたりは真っ暗に。 マッシモ劇場はライトアップされて眩く輝き、昼間とはまた違った美しさを放っていました。
心に残るひとときを過ごし、本当に素敵な思い出になりました。
パレルモ観光マップ
ピンクライン:ヴィットリオ・エマヌエーレ通り