カルタジローネ(Caltagirone)はシチリア島の中南部に位置し、「陶器の街」として知られています。
色鮮やかなマヨルカ焼きで彩られた建物や装飾が街の至るところで見られ、 特に「サンタ・マリア・デル・モンテの大階段」はその美しさで多くの観光客に知られています。
カルタジローネ - 陶器の街
当日の午前中はタオルミーナを散策し、午後にはカルタジローネへと向かいました。 バスでの移動は約2時間、125kmほどの距離です。
しばらくは美しい海岸線に沿って進み、窓の外に広がるイオニア海の風景を楽しみました。
バスが進むにつれて、次第にエトナ山の迫力ある姿が目の前に迫ってきました。エトナ山もこれで見納めです。
名残惜しさを感じつつ、その雄大な姿をしっかりと目に焼き付けました。
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カルタジローネ観光トレインからの風景
カルタジローネ旧市街のはずれにある駐車場でバスを降り、そこからサンタ・マリア・デル・モンテの大階段へと向かうことになりました。
大階段までは徒歩15分ほどの距離。 希望者がいれば添乗員さんが案内し一緒に歩いていくこともできるとのことでしたが、ツアー参加者全員が観光トレイン乗車を希望しました。
料金は5ユーロかかりましたが、音声ガイド付きで街を観光しながら目的地へ向かえるのはとても便利。坂道の多いカルタジローネの移動が楽々できたのも魅力でした。
ホワイトカラーの観光トレインはとても可愛らしく、細い路地もぐんぐん進み最高に楽しかったです~
ただ、12月の寒い時期であったため、やや透明感に欠けるビニールで両側が覆われていたのが残念でした。 そのため、せっかくの街の風景がクリアに見えず、写真もイマイチなものになってしまいました。
陶器博物館
観光トレインで出発した駐車場の北方向には、広々とした市民公園があります。 その公園の道路沿いには陶器博物館(Museo Regionale della Ceramica)が建っています。
美しい陶器やその歴史的背景についての展示が多くあり、シチリアの文化に触れることができるようです。
サン・ピエトロ教会
サン・ピエトロ教会(Chiesa Di San Pietro)は二つの塔を持つ壮麗な外観が特徴です。
観光トレインからは少し見づらかったものの、美しい青タイルの装飾が印象的でした。
サン フランチェスコ橋
カルタジローネ旧市街の入口にかかるのがサン フランチェスコ橋(Ponte San Francesco)です。
橋の両側の壁にはマヨルカ焼きの美しいタイルがはめ込まれていました。 橋全体がアートのような雰囲気で、観光トレインでさーっと通り過ぎるのがもったいないように感じました。
サンタガタ教会
サン フランチェスコ橋を渡って、すぐ左手に見えたのはサンタガタ教会(Chiesa di Sant'Agata)です。
16世紀に創設され18世紀に改修されたようで、バロック様式のファサードが美しかったです。
市立博物館
サンタガタ教会と並んで右側には市立博物館(Musei Civici Luigi Sturzo)が建っています。
ブルボン王朝時代には刑務所だったそうですが、現在はカルタジローネやシチリア島に関連する歴史的・文化的展示が行われているそうです。
観光トレインのビニールの覆いで少々見づらかったけど、隣のサンタガタ教会と一体化したような重厚な建物でした。
ウンベルト1世広場
観光トレインは旧市街を回りながらウンベルト1世広場(Piazza Umberto I)に到着し、そこで降車しました。
サン・ジュリアーノ大聖堂
ウンベルト1世広場に面して建つのはサン・ジュリアーノ大聖堂(Cattedrale di San Giuliano)です。
高い鐘楼と、水色の陶器で覆われたドームが非常に美しく、印象に残りました。
ジェズ教会
200mほど前方のサンタ・マリア・デル・モンテの大階段に向かって歩いていく途中、右側に見えたのはジェズ教会(Chiesa del Gesu)のファサードです。
バロック様式の美しい教会で、内部は天井のフレスコ画や精緻な内装など見所が多いようです。
ムニチピオ(市庁舎)広場
ウンベルト1世広場から少し歩いたところにあるのは、ムニチピオ広場(Piazza del Municipio)です。
周辺にはカフェやレストランもあり、美しい建物に囲まれた素敵な広場でした。
カルタジローネ市庁舎
ムニチピオ広場に面して東方向には、カルタジローネ市庁舎(Municipio di Caltagirone)があります。
淡いアイボリーを基調としたファサードは風格があり、バロック様式の美しさが感じられました。
サンタ・マリア・デル・モンテの大階段
カルタジローネを代表する観光スポットのサンタ・マリア・デル・モンテの大階段(Scala Santa Maria del Monte)は、市庁舎のすぐ前方にあります。
この大階段は長さは約130mで、高低差があるカルタジローネの上と下の街をつなぐため1606年に造られたそうです。
階段は142段もあり、その一段一段にはマジョルカ焼のタイルで装飾されています。 下から見上げると、圧巻の美しさ!
タイルで装飾されたのは1954年ということなので比較的最近のことです。 大階段ははるかに魅力的になり、観光スポットとしての価値が一挙に高まったことでしょう。
このタイルの絵柄は、段によってそれぞれ異なっています。
欠けてしまっているタイルも結構あったけど…
一段ごとじっくり眺めながら、楽しく上って行きました。
マリア像が描かれていた段も、印象的でした。
サンタ・マリア・デル・モンテ教会
大階段を上りきると、サンタ・マリア・デル・モンテ教会(Chiesa di santa Maria del Monte)があります。
12世紀にビザンチン様式で建てられ、その後バロック様式に改装されたそうです。
教会入口横のバルコニーの下には、タイルで装飾された壁画がありました。
白い教会と階段を背景に、そのタイルの色合いが一層鮮やかに浮かび上がり目を引く美しさでした。
そして、このサンタ・マリア・デル・モンテ教会は丘の上にあるため、教会前からカルタジローネの街を一望することができるのです。
142段を上りきるのは結構息切れして大変でしたが、その疲れも一瞬で忘れさせてくれるような絶景が広がっていました!
陶器の店
サンタ・マリア・デル・モンテの大階段周辺には、陶器を扱うお店がたくさんありました。
店の入り口前の巨大な陶器に圧倒されながら、中を覗いてみました。
店内には所狭しと、カラフルな陶器や手軽に買えるお土産類も並べられていました。
シチリアらしい明るい色彩と大胆なデザインの置物もたくさんあって、一つ一つ眺めて回るだけでも楽しかったです。
奥には工房もあるようでした。
楽しいひと時を過ごした後、再び観光トレインに乗車してツアーバスが待つ駐車場へ向かいました。
真っ白な車体が街並みに映えて、やっぱり可愛いトレイン♪
まるで童心に返ったような気分で、景色を楽しみました。
帰りのルートは行きとはちょっと違っていたようです。
途中では、キラキラのクリスマスマーケットのブースが並んでいるのが見えました。
ゆっくり散策して雰囲気を味わいたかったなぁ~
カルタジローネを訪れて
カルタジローネの街は観光トレインで回っただけですが、タイル装飾が施された橋や歴史ある建物が点在し、まさに「陶器の街」という印象を持ちました。
ただ、駆け足で通り過ぎたのは少し残念で、美しい教会などをじっくり見学したかったです。
それでも、観光の中心であったサンタ・マリア・デル・モンテの大階段は、下から見上げると想像を遥かに超える圧巻の風景で感動しました。
142段すべてに施されたタイル装飾は美しく、足を止めながら上っていくのも楽しかったです。
また、階段上から眺めたカルタジローネの街並みが広がる風景は素晴らしく、心に残るひとときとなりました。
カルタジローネ観光マップ
ピンクライン:サンタ・マリア・デル・モンテの大階段
水色ライン:観光トレインルート