Blogger

【アグリジェント】 何世紀にもわたる歴史を刻んだ神殿の谷の遺跡群を巡る - イタリア旅行記

シチリア島南西部に位置するアグリジェント(Agrigento)は、地中海沿岸都市として栄えた歴史ある街です。

丘陵の中腹に広がる「神殿の谷」(Valle dei Templi)には、古代ギリシアの遺跡群が多く残されています。

この遺跡群はユネスコ世界遺産にも登録されており、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

アグリジェント - 神殿の谷の遺跡群

神殿の谷には、主に5つの神殿が点在しています。

遺跡は東側と西側のエリアに分かれており、東側にはヘラ神殿、コンコルディア神殿、ヘラクレス神殿が、 西側にはゼウス神殿とディオスクロイ神殿があります。

5つの神殿を見学する場合、約1.6kmほどの直線状に伸びる道を歩いて巡ることになります。

入口は東西に2か所あるのですが、東側の方が高地になっているので、東から西に向いて進むのがお勧めです。

私たちも東側の駐車場(Parcheggio Saba Giunone)でツアーバスを降り、遺跡の見学に向かいました。

ヘラ神殿

駐車場から少し南に進むと、ヘラ神殿(Tempio di Giunone Lacinia)があります。

神殿の谷の遺跡群のうち、一番東端にある神殿です。

紀元前5世紀頃に建てられたヘラ神殿は戦禍や地震によって損傷を受けましたが、現在も美しいドーリア式の列柱が保存されています。

神殿に元々は34本の柱があったそうですが、そのうち25本が残っています。 力強くそびえ立つ列柱は、シンプルながらも重厚な美しさを放っていました。

また、ヘラ神殿を背に前方を見ると、美しい風景を一望することができます。

古代から変わることのない壮大な景色とともに、かつて人々の生活に重要な役割を果たした神殿の姿を今も見ることができることに深い感動を覚えました。

そこから西方向にひと際目立って見えたのは、コンコルディア神殿です。

ヘラ神殿からは約800mほどの距離があり、その方向目指して再び歩き始めました。

アルコソルの墓

コンコルディア神殿に向かう途中、道沿いには城壁跡が残っていました。

よく見ると、アーチ状に岩が削られた場所があります。 これはArcosoliと呼ばれ、かつて埋葬場所として利用されていたそうです。

城壁にお墓が埋め込まれてるって何とも不思議な感じですが、ローマ帝国の支配下で外敵の脅威が減り、城壁の必要性が薄れていたのでしょうか。

更に西方向に進むと、大理石の彫像が何体かありました。

これは古代ローマ時代のもので、後から頭部を付け替えられるよう、当初から頭部のない状態で作られていたそうです。 支配者が交代しても顔のみ付け替えればOKって、なんとも合理的!

コンコルディア神殿

更に歩くにつれ、少しずつ大きく見えてきたのはコンコルディア神殿(Temple della Concordia)です。

紀元前5世紀頃に建てられたドーリア式神殿で、保存状態が非常に良いことで知られています。

まさしく、神殿の谷の遺跡群の中でも最も美しく、観光のハイライトと言えるでしょう。

前面や側面の柱はほぼ完全に残っており、古代ギリシャ建築の美しさを目の前で感じることができます。

2500年以上の歴史を持つ圧巻の姿に、ただただ感動しました。

近くに横たわっていたのは倒れたイカロス像(Ikaro Caduto)です。

ギリシャ神話に登場するイカロスですが、このブロンズ像は歴史的なものではなく、翼が折れて倒れるシーンを表現した現代アート作品だそうです。

でも、カメラ的には絶好のシチュエーション!

古代キリスト教墓地

コンコルディア神殿から西方向に歩いて行くと、道沿いに見られたのは古代キリスト教墓地(Paleochristian necropolis)です。

これは3~4世紀頃の埋葬地跡だそうで、広い範囲にわたって無数の墓穴が残っていました。

そのような歴史ある遺跡跡の近くで見かけたのはジルジェンターナ(Girgentana)という品種のヤギです。

よく見ると、らせん状にねじれた独特の角を持ち、思い思いにのんびりと過ごしていました。

このように歴史ある遺跡やのどかな風景が続く中、前方には美しい庭園とエレガントな建物が見えてきました。

これは19世紀に建てられた黄金色の館(Villa Aurea)で、 アグリジェントの遺跡発掘と修復に貢献したアレキサンダー・ハードキャッスル卿(Alexander Hardcastle)の私邸だったそうです。

ヘラクレス神殿

ヘラクレス神殿(Tempio di Ercole)は、紀元前6世紀頃に建てられたそうで、神殿の谷の遺跡群の中で最も歴史が古いものです。

時間の経過や地震、戦禍などにより、ほとんどが崩れた状態ですが、8本の柱が復元され、神殿の壮大さを感じることができます。

周囲には崩れてしまった建物の残骸がごろごろ転がっていました。

元の姿を想像するのは難しいものの、そのままの姿だからこそ、長い年月の流れと歴史の重みを改めて感じました。

神殿の谷を訪れた感想

神殿の谷の見学時間は1時間半の予定で、東側から現地ガイドさんの案内のもと、3つの神殿をじっくり見学しました。

道路を挟んでさらに西にはディオスクロイ神殿(Tempio dei Discuri )やゼウス神殿(Tempio di Zeus Olimpio)がありましたが、 やはり限られた時間内に5つすべての神殿を巡るのは難しかったようです。

それでも、ガイドさんの詳しい説明を聞きながら、2000年以上の歴史を誇る壮大な神殿を目の前にし、 古代アグリジェントの繁栄や、人々の深い信仰心を強く感じることができました。

旅行前はアグリジェントの街や歴史について全く知らなかったのですが、充実した時間を過ごせてとても良かったです。

神殿の谷 観光マップ

ピンクライン:実際に歩いた散策ルート