アルベロベッロ(Alberobello)は、ブーツの形にたとえられるイタリア半島の「かかと」部分に位置する町です。
白壁に円錐形の屋根が特徴的なトゥルッリが連なる風景は大変美しく、その景観からユネスコ世界遺産に登録されています。
アルベロベッロ - 観光スポット
アルベロベッロはコンパクトな町で、トゥルッリの集落は、主に2つの地区に分かれています。
- リオーネ・モンティ地区(Rione Rione Monti)は、観光客が多く土産物店などが並ぶエリア。
- アイア・ピッコラ地区(Rione Aia Piccola)は、住民が暮らす観光地化されてないエリア。
アルベロベッロ中心地区
ポポロ広場
ポポロ広場(Piazza del Popolo)はアルベロベッロの観光拠点となる広場で、 リオーネ・モンティ地区やアイア・ピッコラ地区への入口となります。
私が訪れた12月上旬は広場に面する建物が綺麗にライトアップされていました。
メリーゴーランドの煌びやかな光が幻想的な雰囲気をさらに引き立てていました。
アルベロベッロには夜に到着し自由散策の時間がありましたが、翌日は現地ガイドさんと一緒にじっくり町散策を楽しみました。
まずはホテルから観光拠点のポポロ広場へ。
広場中央には戦争で亡くなった兵士達を追悼するオベリスク(戦没者記念碑)(Monumento Dei Caduti in Guerre - Alberobello)がありました。
近くの木陰にはベンチもありましたが、人影は少なくひっそりとした雰囲気でした。
ポポロ広場から南に少し歩くと、噴水があるジャンジローラモ広場(Piazza Gian Girolamo)にたどり着きます。
サンタ・ルチア展望台
噴水からすぐ南方向には、リオーネ・モンティ地区を一望できるサンタ・ルチア展望台(Trulli Panoramic View)があります。
ここからの眺めは圧巻!
まるでおとぎ話の中にいるかのような景色が広がっていました。
トゥルッリが連なる風景は今までに見たことがない独特の世界観で、非常に感慨深いものでした。
サンタ・ルチア教会
サンタ・ルチア展望台から階段を下りて行くと、駐車場などがある広場となっています。
この広場から先ほどの展望台に沿って立つのはサンタ・ルチア教会(Church of Saint Lucia)です。 白くシンプルな外観ながら、とんがり屋根のトゥルッリも見られ可愛い雰囲気でした。
リオーネ・モンティ地区
広場から南西方向に広がるリオーネ・モンティ地区(Rione Rione Monti)は、多くの観光客が訪れる観光の中心地となるエリアです。
石畳の坂道の両側には土産物店などが入ったトゥルッリが立ち並び、絵画のように美しい風景でした。
その白壁を飾る鉢植えの花々、道に置かれたサボテンや植木、そして斜めに立てかけられた自転車…
もう、すべてが可愛い♪
歩くだけで心弾む「可愛い」が詰まった素敵な通りが続いていました。
トゥルッリの屋根には、何らかのマークや記号が書かれたものがあります。 これらの文字には、それぞれ宗教的な意味、魔除けの意味などがあるそうです。
昼間とは全く違う雰囲気の、夜の散策も楽しみました。
イルミネーションが煌びやかで、エリア全体が幻想的な雰囲気に包まれていました。
サン・アントニオ教会
リオーネ・モンティ地区の通りを更に進むと、サン・アントニオ教会(Chiesa di Sant'Antonio)があります。
アルベロベッロならではの外観で、他では見られない独特の教会です。
白い漆喰の壁と円錐形の屋根が美しく、可愛らしさと荘厳さを兼ね備えていました。
アイア・ピッコラ地区
次にポポロ広場から南東方向に広がるアイア・ピッコラ地区(Rione Aia Piccola)に向かいました。
観光客が多く賑やかなリオーネ・モンティ地区とは対照的に、アイア・ピッコラ地区は地元の住民が多く住む落ち着いた雰囲気のエリアです。
それぞれのトゥルッリが本当に可愛い!
場所によっては、ちょっと手入れができてなくて荒れた感じのトゥルッリも見られました。
円錐形の屋根の一部が崩れかけていたり、漆喰の壁の汚れが目立っていたり、放置されたままのようなところも。
石を積み上げた独特の外観を持つトゥルッリは修繕しやすい構造と言われていますが、美しい状態を保つには手間も時間もかかるのでしょう。
通りを歩いて行くと、円錐形の屋根が並ぶ風景が遠目に見えました。
また、ドゥーカ・デッリ・アブルッツィ通り(Via Duca degli Abruzzi)にはリオーネ・モンティ地区を一望できる展望台がありました。
これらの場所では思わず足を止めてしまう圧巻の風景を眺めることができ、何度見てもその美しさに心を奪われました。
どこを切り取っても絵画のようで、見飽きない素敵な風景でした。
Yoko's Shop
ところで、リオーネ・モンティ地区には日本人がオーナーの陽子の店(Yoko's Shop)があります。 アルベロベッロを訪れた日本人観光客は、たいてい立ち寄るのでないでしょうか。
ちょっと驚いたのですが、陽子さんのツアーチェックは本当にすごくて、私たちがアルベロベッロの滞在ホテルに到着する時間にぴったりのタイミングで姿を見せました。
そして、現地ガイドさながらに地元の情報を織り交ぜながら流暢にお話ししつつ、ご自身のお店へと案内。
普通ではなかなか見られないようなトゥルッリの住居スペースまで全部見せてくれて、「写真もOKですよー」とのことでした。
そりゃ、こんなモデルルームのように完璧に美しい部屋なら、welcome!でしょう。 見せるの前提で整えているんでしょうけど、それにしても雑誌に出てくるような素晴らしい空間でした。
実際に生活の場として使われているトゥルッリの内部を見学できるのは貴重な体験。 トゥルッリでの生活や日常のことなど、いろいろお話も伺い大変興味深かったです。
ただ、この後は試食を交えての実演販売へ突入ー。
このあたりの流れなどが口コミで色々書かれているんだろうけど、でも嫌だったら買わなくてお店を出ても全然大丈夫。
私は元々保湿用のハンドクリームやオリーブオイル石鹸を購入したいと思っていました。 お店にちょうど、とっても可愛い容器に入ったサレントの香りがするハンドクリームなどがあったので、娘たちの分も合わせて購入でき良かったです。
そして、陽子さんの店では、自由に屋上テラスへ上がらせてもらえるのです。
トゥルッリの円錐形の屋根を間近に見ることもでき、想像以上に素敵なビューポイントでした。
翌朝、自由時間に再びお店の前を通りかかった時、陽子さんの息子さんが「朝の風景も見て行かれませんか~」と声をかけてくれました。
再び屋上テラスに上がらせてもらい、静かで穏やかな朝の風景も見ることができ感動!
目の前で円錐形の屋根の形や石の積み方などをじっくり眺められるなんて、本当に贅沢な体験。
トゥルッリの屋根が並ぶ姿が可愛いすぎる~!どこを切り取っても素敵な風景!
遠目にサンタ・ルチア教会の鐘塔などもよく見え、昨日とはまた違った朝の風景を堪能できました。
陽子さんのお店については事前にいろいろ口コミを読んでいたし、値段もやや高め設定だったような気はします。 正直なところ初めはちょっと抵抗がありました。
でも、トゥルッリの中を見せていただいたり、屋上テラスからの風景を楽しんだり、私はとても満足の行く時間が過ごせました。 訪れて本当に良かったです。
新市街地区
ポポロ広場から北方向には、地元の商店やカフェ、レストランなどが並ぶ新市街地区があります。
徒歩圏内ではありますが、限られた自由時間はやはりトゥルッリ地区の散策を優先したため、そちらには向かいませんでした。
下の写真は、陽子さんの店の展望テラスから眺めた新市街方向の風景です。 トゥルッリが建つおとぎの国のような旧市街とは全く異なり、近代的な建物が並んでいました。
サンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂
ひときわ目立って見えたのは、左右対称に2つの塔があるサンティ・メディチ・コズマ・エ・ダミアーノ聖堂(Basilica dei Santi Medici Cosma e Damiano)です。
遠目から鐘楼のあたりしか確認できなかったものの、圧倒的な存在感を放っていました。
聖堂は、ポポロ広場から徒歩約5分の距離にあります。 もう少し自由時間があれば、アルベロベッロ最大のトゥルッリであるトゥルッリ・ソヴラーノ(Trullo Sovrano)とあわせて見学したかったのですが、少し残念でした。
アストリア アルベロベッロ
アルベロベッロで宿泊したのはアストリア アルベロベッロ(Astoria Hotel)です。
トゥルッリ地区のホテルではなかったものの、ポポロ広場までは約400mほどの距離でアクセスは良かったです。
外観は、可愛いおとぎの国のアルベロベッロを全く感じさせない、至ってシンプルな佇まいでした。
ロビーは手狭な感じでしたが、ソファやテーブルなどが十分配置されており落ち着いた雰囲気でした。
客室もとってもシンプル。
そして、海外ではよくあるパターンの、毛布や布団なし、シーツにカバーがかかっただけのベッド!
クローゼットから毛布を取り出したものの、1枚では少し肌寒く感じる室温でした。 幸い私は1人参加だったため部屋にあった2枚の毛布を使えましたが、他のツアー参加者の方々は翌日「寒かった」と結構苦情を言っていました。
室温調節もイマイチだったし、しかも12月だったので、やはり日本のようなふわふわの布団がほしいなって思いました。
バス・トイレは特に問題ありませんでした。 なお、洗面所にあったセントラルヒーティングのおかげで、昼間雨のマテーラでびしょ濡れになった靴をしっかり乾かすことができ、本当に助かりました!
翌朝の朝食はパン類、ハム・チーズ類、フルーツ、ヨーグルトなどでした。 あまりにも種類が多いとついつい食べ過ぎるけど、特に目ぼしい物がなくちょっと残念だったかな。。
いつか訪れたいと思っていたアルベロベッロの町をじっくり散策し、まるで絵本の中のような可愛い風景にたくさん出会いました。
ちょうどイルミネーションのシーズンで、美しく幻想的に輝く夜の町歩きも楽しむことができました。
心に残る素晴らしい思い出をたくさん作ることができ、大満足の旅となりました。
アルベロベッロ観光マップ
ピンクライン:実際に歩いた散策ルート