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【オンフルール】美しい旧港の風景とフランス最大級の木造教会 - フランス旅行記

セーヌ川の河口に広がるオンフルール(Honfleur)は、ノルマンディー地方を代表する港町です。

スレート壁の建物群や、どこを切り取っても美しい街並みは、モネやブーダンをはじめとする多くの印象派の画家たちの心をも深く魅了したそうです。

中世の面影が残る オンフルールの街歩き

モン・サン=ミシェル観光後、パリへ戻る途中にブブロン・アン・オージュへ立ち寄り、その後に訪れたのが、情緒あふれる港町として知られるオンフルールです。

歴史ある旧市街には、独特のスレート壁や木組みの建物が連なり、中世の景観が今も色濃く残されています。

市庁舎広場からオンフルール旧港の北岸へ

オンフルール市庁舎

バスは観光の起点となるオンフルール市庁舎(Hôtel de Ville)近くに到着しました。

17世紀に建てられた市庁舎は、石造りの重厚な建物で、クラシカルな時計塔が目を引く佇まいです。

すぐ隣には、ノルマンディー地方の伝統を感じさせる鮮やかな木組みの建物が見られました。

ラ・リウテナンス(総督館)

市庁舎から北へ少し歩くと、17世紀に港の防衛拠点として築かれた重厚な石造りのラ・リウテナンス(総督館)(La Lieutenance)があります。

歴史を感じるどっしりとした外観と、屋根の上ではためく白い旗が周囲の景観に溶け込んでおり、中世の港町らしい風情が漂っていました。

総督館前の広場からはオンフルール旧港(Port de Honfleur)を一望することができ、まさに絵画のような美しい景色が広がっています。

スレート壁の住宅群

総督館の前から旧港の西側を見渡すと、スレート壁で覆われた歴史ある住宅群が水面に沿って美しく並んでいます。

17〜18世紀に建てられたという建物は上へ細長く伸びる構造で、1階にはカラフルな外観のカフェやレストランが軒を連ねていました。

サンテティエンヌ岸壁

旧港の東側は、中世から海上交易で栄えてきたサンテティエンヌ岸壁(Quai Saint-Étienne)と呼ばれるエリアです。

西側に並ぶ高層のスレート壁住宅群とは対照的に、ノルマンディー伝統の木組みや温かみのあるレンガ造りの美しい街並みが広がっています。

黒い尖塔が伸びる建物は、14〜15世紀に建立された旧サンテティエンヌ教会で、現在は海の歴史を伝えるオンフルール海洋博物館(Musée de la Marine)として公開されているそうです。

聖カトリーヌ広場と周辺の街並み

二つの老舗ホテルが並ぶ情景

総督館周辺から旧港沿いを歩き、細い路地を抜けて、聖カトリーヌ広場(Place Sainte-Catherine)に到着しました。

教会前から旧港方面へと視線を向けると、通りの入り口を挟み込むように、趣の異なる二つの歴史あるホテルが並んで見えます。

建物の間をまっすぐ伸びる細い路地の奥まで、魅力あふれる街並みが続いていました。

ホテル・デュ・ドーファン

広場の一角でひときわ目を引く木組みの建物は、17世紀の町家を活用した老舗ホテルホテル・デュ・ドーファン(Hôtel du Dauphin)です。

白壁に濃い色の木材が細かく交差する伝統的なコロンバージュ様式が美しく、屋根のラインや赤レンガの煙突にも中世の港町らしい歴史が感じられました。

レ_メゾン_ド_レア

聖カトリーヌ教会の真向かいには、壁一面に美しい蔦をまとったホテルレ・メゾン・ド・レア(Les Maisons de Léa)があります。

16世紀の修道院などを活用した歴史ある4つ星ホテルで、石造りの重厚感があり、木組みのホテル・デュ・ドーファンとは対照的なシックな雰囲気でした。

聖カトリーヌ教会(フランス最大級の木造教会)

広場の中心に佇む聖カトリーヌ教会(Église Sainte-Catherine)は、オンフルール旧市街を代表する木造教会として知られています。

百年戦争が終結した直後の15世紀後半に建てられたそうで、木造ならではの素朴な温もりと、長い歴史の重みを感じさせてくれます。

聖カトリーヌ教会 - 鐘楼

蔦に覆われたレ・メゾン・ド・レアのすぐ近くには、聖カトリーヌ教会の鐘楼が、本堂とは完全に独立した形でそびえ立っています。

このように分離して建てられた理由としては、木造の本堂を火災から守るための防火対策に加え、重い鐘を突いたときの激しい振動で本堂の骨組みが傷むのを防ぐためなど、当時の建築上の知恵によるもののようです。

聖カトリーヌ教会 - 本堂外観

広場から本堂の側面へ回り込んで眺めると、横へ長く伸びる木骨構造独特のスケール感に目を奪われます。

スレートで葺かれた大きな屋根がどっしりと構え、木造建築ならではの温かさと、圧倒的な重厚さを感じました。

聖カトリーヌ教会 - 本堂内部

教会本堂の中に入ると、外観からは想像しにくいほど奥行きのある大空間が広がっていました。

天井は船底をひっくり返したような独特の形状で、当時の船大工たちの高度な技術を応用して造られたと伝えられています。

側面の高い窓から柔らかな光が差し込み、太い木の柱や梁を明るく照らし出していました。

木の柱には鮮やかな青色の教会バナー(聖旗)が掲げられており、堂内でひときわ目を引きました。

これはキリスト教の祝祭や行列の際に用いられてきた伝統的な装飾だそうです。人々の祈りや希望を象徴する存在として大切に扱われてきたものでしょう。

堂内の奥には金色に装飾された主祭壇があり、厳かな雰囲気を漂わせていました。

木の温もりや、ステンドグラスから差し込む明るい光などが自然に調和した空間の中で、とても心地よい時間を過ごすことができました。

オンフルールを訪れて

オンフルールは、港や歴史ある街並みがどこを切り取っても美しく、歩を進めるたびに何度も足を止めて見入ってしまいました。

今回はモン・サン=ミシェル観光からパリへ戻る途中に、ブブロン・アン・オージュと合わせてオンフルールに立ち寄ったのですが、ノルマンディーの魅力を贅沢に満喫できる、この上なく素敵なルートだったと思います。

移動日であるはずの一日が、心から癒やされる素晴らしいひとときとなりました。

オンフルール周辺マップ

縮小すると、モン・サン=ミシェルや パリとの位置関係を確認できます