倉敷市児島の由加山は古くより神仏習合の考えのもと、多くの人々の信仰を集める場となってきました。 ところが、明治の神仏分離令により由加神社と蓮台寺に分離され、それぞれ独自に宗教活動をすることとなったようです。
対立関係にあるとも言われている両者ですが、訪問する立場からすると由緒ある神社とお寺へ同時にお参りすることができ、とても有意義な時間が過ごせました。
由加神社 ~ 厄除け総本山 ~
由加神社は2000年以上の歴史があり、 厄除け総本山と称される由緒ある神社です。
表参道第一駐車場に車を停めると、すぐ前には厄除け石段が見えました。
備前焼 大鳥居
境内の手前でまず目に入ったのは、明治27年に奉納された立派な鳥居です。
備前焼で造られた鳥居として、日本一の規模を誇っているそうです。
備前焼 子連れ獅子
また、鳥居の両側には備前焼で造られた獅子がいます。
元々は親子の獅子だったそうですが、 残念ながら足元の子獅子のみ盗難にあってしまったのだとか。なんとも罰当たりなこと。。
両参り
境内に入ると大きな看板があって、「両参り」について記載されていました。
由加神社は厄除け・家内安全などを願う人々の信仰を古くから集めてきました。
そして、更に多くのご利益をいただけるよう、江戸時代頃から広まっていったのが、 由加神社と四国金毘羅神社をまわるゆが・こんぴら両参りだそうです。
由加神社 本宮
由加神社は権現造りとなっており、本殿は拝殿のうしろにあります。 お正月などは多くの参拝者で賑わうようですが、私が訪れた日は人出も少なく静かな時間が流れていました。
厄玉の儀
本宮左側には、ひと際大きく「厄」と書かれた文字があり目に留まりました。 ここは厄玉の儀納め所で、厄玉の儀を行うことができます。
近くに置かれた厄玉を購入し、自分の厄を封じ込めて「厄」の字めがけて投げつけるのです。 主人も試してみましたが、厄玉は見事に砕け散りました! これで、厄除け効果UPしたかな。。
縁結びのパワースポット
拝殿横に「パワースポット」への案内があったので、矢印に沿って奥に行ってみました。
拝殿の下にある回廊に、男性は左側から入り、女性は右側から入るそうです。
回廊を進むと、縁結び獅子がいるので、男性は左側にいる女獅子にお参りし、女性は右側にいる男獅子にお参りするんだとか。
そして、拝殿の下の奥にある縁結びの神様に良縁を祈願します。
拝殿下には七十五匹の白狐像もありました。
これは権現様の神使とされる白狐で、ここもご利益スポットとなっています。
タコ神様
由加神社で何ともユニークなのは、ちょっとコミカルでおとぼけ顔のタコ神様。
他の神社では見たことないような雰囲気で、本宮前に堂々と鎮座するお姿に衝撃~!
児島・下津井地区はタコの名産地で、タコを海の神様の象徴として祀り、 海上安全祈願や魚介類の供養を行っているそうです。
由加天満宮
タコ神様から左奥方向には由加天満宮があります。
学問の神様である菅原道真は 太宰府に左遷され移動する途中 倉敷市児島に数日間滞在し、それが所縁となってここに祀られているそうです。
菅原道真公の石像や、合格祈願の鳥居がありました。
由加神社七福神
大鳥居から東方向に歩いて行くと、七福神が並んで祀られていました。 中でも、金運アップのご利益を授かることができると言われる弁財天は、ひと際大きく真ん中から微笑みかけています。
弁財天の左前方にある銭洗水で小銭や紙幣を洗うと何倍にもなり金運が上がると言われています。 ぜひぜひお試しを~!
救薬神
すぐ近くには救薬神と書かれた神様が!
のどの痛みを改善してくれ、歌声を良くしてくれ、更にはお肌をきれいにしてくれるなんて、なんて素敵な神様。。
風邪症状はなく、歌声を良くしたい望みもありませんでしたが、 お肌の悩みはたっぷりあるので、しっかりお願いしてきました!
このように由加神社は御利益のあるパワースポットや見所が多く、ゆっくり回っていたところ結構時間が過ぎていました。
蓮台寺 ~ 厄除け瑜伽大権現 ~
蓮台寺は真言宗御室派で、 厄除け総本山と称される由緒ある大寺院です。
蓮台寺の敷地は広く、総本殿や客殿、奥の院は由加神社の西側に隣接しています。 そして、大師堂(御影堂)や観音堂は由加神社境内を通り抜けて東方向にあります。
元々一つだった信仰の場が神仏分離によって二つの宗教施設となってしまったため、 神社か寺かと何だかややこしいけど、お参りする立場からするとどちらも有難い存在。
私は由加神社側から参拝したため、七福神のすぐ近くにあった大師堂(御影堂)にまず向かいました。
大師堂(御影堂)
弘法大師をお祀りするために造られたそうです。
観音堂
本格的な本堂建築で、とても歴史を感じます。永代位牌堂として供養されているそうです。
奥の院
由加神社境内を出たところには、奥の院への案内がありました。
石段を上ったところには権現堂があります。 由加神社境内を一通りゆっくりと回った後で、そろそろ疲れも出てきたところでしたが、 さらなるご利益を求め、上って行きました。
奥の院は客殿と回廊でつながっているため、回廊を通って降りて行くこともできるようです。
できれば回廊内に入りたかったのですが、奥の院には人っ子一人見当たらず、 階段を下りて蓮台寺総本殿への参拝順路を歩いて行きました。
総本殿
総本殿には十一面観世音菩薩・瑜伽大権現・弘法大師をお祀りしており、 厄除け・厄払いのご祈祷をしていただけます。
総本殿での一番の見所は、やはり日本最大級という大迫力の厄除け大不動明王でしょう。 右手には利剣を持ち、大きく見開いた目力には圧倒されます。
また、全身真っ赤で怒り顔でありながら、縁結び、良縁成就などにご利益がある愛染明王も祀られていました。
総本殿の正面には病気を治す力があるというなで仏 びんずるさまが鎮座されていました。
自分の病の部分を触り、びんずるさまの同部位を撫でると、その病が治ると言われています。 寄る年波には勝てないもので次々と不調を感じるところも多く、ご利益を受けるべく びんずるさまを撫でてきました。
新本堂
さて、総本殿から高台の方には、更に豪華な外観の建物が見えたので、石段を上って行きました。
こちらは新本堂です。
2022年10月に完成したばかりということで、建物の歴史は浅いものの、 厄除け総本山として全国に知られ多くの参拝客を集めるにふさわしい厳かな外観でした。
内部は撮影禁止でしたが、御本尊の十一面観世音菩薩も拝むことができました。
厄除け祈願のため由加山を訪れましたが、由加神社と蓮台寺は想像以上に見所が多く、 それぞれの境内をゆっくりと回っていったところ2時間以上過ぎていました。
とても楽しく参拝することができたし、改めてお礼参りに訪れたいなと思っています。
由加神社・蓮台寺周辺マップ
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